メカニカルシール交換の手順と注意点

MECHANICAL SEAL REPLACEMENT GUIDE

交換前の確認で、漏れの再発防止まで考える

メカニカルシールの交換方法は、シールの構造、材質、ポンプや撹拌機の形式、メーカー指定によって異なります。このページでは、特定機種の作業手順ではなく、交換前から試運転後までに確認したい順序を整理します。

取り外した使用済みメカニカルシールの全体状態
当社で確認した使用済みメカニカルシール。現物状態と運転条件を照合します。
作業は、対象設備の正式な手順を優先してください

設備の停止・隔離、電源、残圧、残液、温度、取り扱う流体への対策は、設備管理者の安全手順、メーカーの取扱説明書、図面に従います。

交換前に、漏れ箇所と運転条件を確認

軸付近から液体が見えても、原因が必ずメカニカルシールとは限りません。漏れの場所、発生時期、量の変化、停止中・起動時・運転中の違いを記録し、合わせ面、配管、ドレン、軸受やポンプ側の状態も切り分けます。

現象を記録

漏れ、異音、振動、発熱、能力低下が、いつ・どの運転状態で出るかを残します。

型式と寸法を照合

メーカー、型式、軸径、取付寸法、回転方向、図面、使用流体などを確認します。

周辺機器も確認

軸・スリーブ、軸受、芯出し、補助配管、フラッシング、運転条件の変化を確認します。

メカニカルシール交換で確認する8項目

以下は一般的な確認順です。ボルトの締付値、設定寸法、部品の向き、取り外し・組立方法は、対象型式の正式な資料を優先します。

  1. CHECK 01症状を整理

    漏れの場所、量、時期と、異音・振動・発熱の有無を記録します。

  2. CHECK 02安全措置

    設備手順に従い、停止・隔離・残圧・残液・温度を確認します。

  3. CHECK 03仕様を照合

    メーカー、型式、軸径、図面、材質、使用条件を照合します。

  4. CHECK 04分解前を記録

    向き、位置、設定寸法、配管状態、漏れ跡を写真と寸法で残します。

  5. CHECK 05指定手順で取り外す

    対象機器の図面・取扱説明書に従い、部品を識別しながら取り外します。

  6. CHECK 06現物を点検

    摺動面、二次シール、スプリング、金属部品、軸・スリーブを確認します。

  7. CHECK 07対応方法を決める

    再使用、修理・再生、部品交換、新品交換、設計変更を比較します。

  8. CHECK 08組立後を確認

    メーカー指定で組み立て、設備手順に従って漏れ・音・振動・温度を確認します。

潤滑剤を一律に塗布しない

二次シールなどの組立補助に使う潤滑剤は、材質や使用流体との適合、種類、使用量がメーカー指定で変わります。無潤滑で組み立てる指定もあるため、「新品にはグリースを塗る」と一律に判断せず、対象型式の取扱説明書に従います。

修理・再生、新品交換、ポンプ整備を分けて判断

交換品を手配する前に、使用済み品の損傷状態と再発要因を確認すると、修理できる範囲やポンプ側まで点検すべき範囲を整理できます。

修理・再生を検討

摺動面のラッピング、二次シールなどの消耗品交換、破損部品の採寸・再製作が可能かを現物から確認します。

新品交換を検討

クラック、摩耗、変形、残り寸法、部品調達の可否、メーカー基準から再使用・修理の可否を判断します。

ポンプ全体を点検

交換しても漏れが再発する、異音・振動・発熱・能力低下を伴う場合は、軸受、軸、芯出し、羽根車、配管、運転条件まで確認します。

交換費用は、型式と作業範囲で変わります

メカニカルシール本体の価格だけでは決まりません。見積では、現物と分かる範囲の設備情報から、次の項目を確認します。

  • メーカー、型式、材質、軸径、数量
  • 分解・組立が必要な機器範囲
  • 現地作業または持ち込み修理の条件
  • 軸・スリーブ、軸受など周辺部品の状態
  • 図面の有無と部品製作の必要性
  • 原因調査、改造設計、試運転確認の範囲

交換判断で確認した現物写真

写真は当社で確認した使用済みメカニカルシールです。同じ外観でも、使用条件や型式によって判断は異なります。

メカニカルシール交換のよくある疑問

水漏れがあれば、すぐ新品交換ですか?

漏れ箇所、発生時期、現物状態を確認します。損傷状態によっては修理できる場合があり、ポンプ側や運転条件が原因候補になることもあります。

交換周期は年数だけで決められますか?

共通の年数では決められません。型式、流体、圧力、温度、起動停止、振動、取付状態、点検結果とメーカー基準から設備ごとに判断します。

新品の二次シールにはグリースを塗りますか?

一律には判断できません。材質や流体との適合、潤滑剤の種類と量、無潤滑指定の有無を、対象型式の取扱説明書で確認します。

相談には何を用意すればよいですか?

メーカー・型式、機器名、銘板写真、軸径、図面、流体・温度・圧力、漏れ始めた時期、現物写真があると確認が進みます。すべてそろっていなくても相談できます。

動画でもメカニカルシールを確認

構造や修理の考え方は、ジクシール公式YouTubeチャンネルでも紹介しています。

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