JIKUSEAL FIELD GUIDE

メカニカルシールの
漏れ・寿命・交換判断現場の疑問別 技術ノート

液漏れ、発熱、ドライ運転、初回起動、寿命、修理。ジクシール株式会社の技術情報と実績を、現場で生まれる疑問から探せる診断・保全ハブに整理しました。

液漏れ発熱・異音・振動ドライ運転寿命・交換修理・再設計
メカニカルシールが使用される渦巻ポンプの例
メカニカルシールだけでなく、ポンプと運転条件を含めて確認します

この技術ノートの使い方

気になる症状を選ぶと、詳しい解説・事例・サービスを確認できます。

CONSULT実機の判断を相談する

図面がない場合や、他社製・海外製、メーカー不明品も分かる範囲から相談できます。

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01

BASIC

まず、どこで漏れを制御しているか

メカニカルシールは、ポンプなどの回転機器の軸封部で、内部の流体が外部へ漏れる量を抑える軸封装置です。

先に結論

回転環と固定環の摺動面が向き合い、液体で潤滑する一般的な接触式では、摺動面間のごく薄い液膜が潤滑を助けます。

メカニカルシールの回転環と固定環を示す線画
回転環と固定環の位置関係
回転環と固定環の接触部と摺動面間の薄い液膜を示す模式図
摺動面間の接触部と薄い液膜
構造・形式・材質は専門ページで詳しく確認できます。液膜の状態や漏れ方は、シール形式・使用流体・運転条件で異なります。
02

SELECTION & DESIGN

交換品・新規設計の相談で、何を伝えるか

設備名だけでなく、メカニカルシールが置かれる運転条件と変動を整理します。

先に結論

使用流体、圧力、温度、回転速度を基本に、機器型式、軸径、固形分、腐食性、運転変動などを設備ごとに確認します。

メカニカルシール選定に必要な使用流体・圧力・温度・回転速度
選定の起点となる四つの運転条件

相談前に整理したい情報

  • ポンプ・撹拌機などの機器名、型式、軸径、図面
  • 流体名、濃度、粘度、固形分、腐食性の有無
  • 通常時・起動時・変動時の圧力と温度
  • 回転速度、回転方向、連続・間欠運転
  • 現在のシール型式、漏れ方、使用期間、変更点
  • 銘板に記載されたメーカー・型式、軸封部の状態、漏れの痕跡
FLUID使用流体
PRESSURE圧力
TEMPERATURE温度
SPEED回転速度
03

TROUBLE DIAGNOSIS

液漏れは、発生した時点と経路から整理する

一つの痕跡だけで原因を決めず、場所・タイミング・量の変化・運転条件を照合します。

先に結論

「どこから」「いつから」「どの運転状態で」「どう変化したか」を記録し、現物・図面・過去の運転記録を一緒に確認します。

メカニカルシール周辺の液漏れについて場所・タイミング・経路を確認する図
液漏れの場所・タイミング・経路を整理
摺動面間の液膜不足による摩擦と発熱の可能性を示す模式図
液膜不足から摩擦・発熱へ至る可能性
STOPPED

停止中から漏れている

軸封部だけでなく、合わせ面、配管、ドレン、二次シール周辺を含めて漏れの経路を確認します。

START-UP

起動直後に漏れた

取付状態、充液、エア抜き、弁・補助流路、起動手順と、漏れ始めた時点を記録します。

RUNNING

運転中に漏れが増えた

流量・圧力・温度の変化、振動、軸振れ、異音、設備側の変更履歴と照合します。

HEAT / NOISE

発熱・異音・振動がある

単独の兆候で原因を断定せず、時間推移と通常運転時との差を残します。

DRY RUNNING

空運転の可能性がある

液体で潤滑する接触式では、液膜不足により摩擦や発熱、損傷へ至るおそれがあります。

PUMP SYSTEM

シールを替えても再発する

ポンプ、配管、軸受、芯出し、補助流路、運転操作まで確認範囲を広げます。

安全を最優先: 異常がある状態で運転を継続せず、設備の手順に従って停止し、駆動源とバルブの隔離・ロックアウト、系内の圧力除去、残液と温度の確認を行ってください。
04

LIFE & MAINTENANCE

寿命・交換時期は、年数だけで決めない

取付状態、運転条件、起動直後からの推移、現物状態を、型式別の基準と照合します。

先に結論

すべての設備に共通する寿命や交換周期は決められません。取扱説明書・図面・運転記録・現物状態から設備ごとに判断します。

メカニカルシール初回起動前の安全・取付状態・充液・エア抜き確認項目
初回起動前から基準となる状態を残す

初回起動から記録したいこと

  • 型式、向き、設定寸法、締結状態を図面と照合
  • 充液、エア抜き、補助流路・弁の状態を確認
  • 起動直後の漏れ、温度、音、振動を短い間隔で記録
  • 通常運転時の基準値と、条件変更・整備履歴を保存
  • 点検時は摺動面、二次シール、スプリング等を確認
点検のために分解された使用後のメカニカルシール部品
使用後の現物は、運転記録と照合して判断します

交換・補修の判断

摺動面、二次シール、スプリング、金属部品などの状態を確認し、メーカー基準や型式別の限界値を優先します。単一の痕跡だけで原因や再使用可否を決めず、使用条件と損傷の進み方を照合します。

判断の考え方: 改善策は設備ごとに異なり、長寿命化を保証するものではありません。条件変更や設計変更はメーカーまたは専門家へ相談してください。

FREQUENTLY ASKED QUESTIONS

メカニカルシールのよくある疑問

一般的な考え方です。実機では、シール形式・使用流体・メーカー基準・設備の安全手順を優先してください。

メカニカルシールは、漏れを完全に止められますか?

メカニカルシールは、回転軸まわりの漏れを最小限に制御する軸封装置です。見え方や許容範囲は形式・流体・運転条件で異なるため、「必ず完全にゼロ」とは判断しません。

メカニカルシールの寿命は何年ですか?

すべての設備に共通する寿命はありません。流体、圧力、温度、回転速度、起動停止、振動、取付状態などで変わるため、取扱説明書・図面・運転記録・点検結果から設備ごとに判断します。

液漏れがあれば、すぐ新品交換すべきですか?

異常時は安全手順に従って停止したうえで、漏れの場所・発生時期・量の変化と現物状態を確認します。修理できる場合もありますが、再使用可否は型式別の基準と点検結果で判断します。

空運転をしたメカニカルシールは再使用できますか?

液体で潤滑する一般的な接触式では、液膜不足による摩擦・発熱・損傷のおそれがあります。外観だけで再使用を決めず、運転を停止してメーカーまたは専門業者の点検を受けてください。

グランドパッキンのように、増し締めで漏れを調整できますか?

メカニカルシールは、グランドパッキンのように運転中の増し締めで漏れを調整する軸封ではありません。締結や設定寸法を含む取付状態は、必ず対象型式の図面と取扱説明書に従って確認してください。

メカニカルシールは修理できますか?

損傷状態や寸法基準によります。摺動面のラッピング、二次シールなどの消耗品交換、部品製作が可能な場合があります。一方、クラックや摩耗、変形の程度によっては部品交換や新品交換が必要です。

相談や見積には、何を用意すればよいですか?

機器型式、流体名、圧力、温度、回転速度、漏れ始めた時期、運転変更点、銘板情報、図面があると確認が進みます。図面がない場合も、分かる範囲からご相談ください。

ABOUT THIS CONTENT

専門性と更新情報

技術情報提供:ジクシール株式会社

事業領域:メカニカルシールの設計・製造・販売・修理、ポンプ・ミキサー・モーター等の設備メンテナンス

最終確認:2026年8月11日

参考情報:一般社団法人 日本産業機械工業会「メカニカルシール関連刊行物」

CONTACT JIKUSEAL

症状と運転条件から、一緒に整理します。

選定、液漏れの原因調査、修理、交換判断、他社品置換まで。機器情報や分かる範囲の運転条件からご相談ください。

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本ページは一般的な技術情報です。実際の作業・運転・点検は、対象設備の取扱説明書、図面、メーカー基準、現場の安全手順を優先してください。
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