メカニカルシールの形式分類の一つに、スプリングの位置による分類があります。
スプリングが回転環側にあるものを「回転形」、固定環側にあるものを「静止形」と呼びます。
回転形はスプリングが軸と一緒に回転し、シールユニット全体を軸に固定する構造が多く、高速回転時の運転安定性に優れます。
静止形はスプリングが固定環側(ケーシング側)にあり、回転しません。
固定環が静止しているため、摺動面の追従性が必要な静止シール側二次シールの摩擦力が小さいことが特徴です。
ここで間違いやすい点としては、スプリングが固定環側にあるものを「固定形」と呼ばないこと。
あくまでも、スプリングが回転しているのか、静止しているのか、で分類されているからです。
スプリングが固定されているわけではないので、「固定形」とは呼びません。