技術コラムVol.028:メカニカルシールの基本設計 – 性能を左右する要素
メカニカルシールの性能を決定するためには、様々な要素を考慮した設計が必要です。基本的な設計項目として、摺動面に作用する力、バランス比 (K)、摺動面圧 (Ps)、PV値 (MPa・m/sec)、トルク, 摺動発熱量, フラッシング流量などがあります。バランス比は、シール流体圧力が摺
メカニカルシールの性能を決定するためには、様々な要素を考慮した設計が必要です。基本的な設計項目として、摺動面に作用する力、バランス比 (K)、摺動面圧 (Ps)、PV値 (MPa・m/sec)、トルク, 摺動発熱量, フラッシング流量などがあります。バランス比は、シール流体圧力が摺
メカニカルシールは、主に摺動環(回転環と固定環)の対向する摺動面で流体の漏れを制御します。基本的な構造には、この回転環と固定環に加え、二次シール、スプリングなどが含まれます。回転環と固定環は、ラッピング仕上げされた摺動面が互いに接触し、回転または摺動しながら漏れを抑制します。
メカニカルシールは、産業界の著しい技術発展に伴い、広範な分野で流体を扱う様々な機器の軸封部として使用されています。適用範囲は急速に拡大しており、自動車、家庭用電気器具、農業関連、船舶、石油化学、一般化学、製鉄、製紙、食品、エネルギー(電力・原子力)、航空機・宇宙など、多岐にわたる産業で利用
メカニカルシールは、液体や気体を扱う機器の回転軸や往復動軸における流体の漏れを制御するための重要な構造部品です。また、外部からの異物の侵入を防ぐ役割も担います。静止シール(ガスケットなど)に対して、メカニカルシールは動的シールに分類されます。JIS B 2405:2003規
今日の修理品は、回転形シングルメカニカルシールです。経年使用の割には摺動面の状態は良好、とはいえ、摺動面の平面度・凹凸は、ミクロン単位の世界です。少しの異物が噛み込んだだけでも、液体の漏れが確認されてしまいます。今回は突発漏れが発生したとのことで、点検を含めた修理のご依頼です。現物の状態で、ある程