JIKUSEAL FIELD GUIDE
メカニカルシール
漏れと寿命、交換の判断現場の疑問別 技術ノート
液漏れ、発熱、ドライ運転、初回起動、寿命、修理。ジクシール株式会社の技術情報と実績を、現場で生まれる疑問から探せる診断・保全ハブに整理しました。

この技術ノートの使い方
気になる症状を選ぶと、詳しい解説・事例・サービスを確認できます。
構造、仕組み、回転環・固定環、摺動面の役割を順に確認します。
メカニカルシールとは?を見る漏れた時点、場所、変化、運転条件を照合し、確認項目を絞ります。
漏れ・異常の確認へ進む図面がない場合や、他社製・海外製、メーカー不明品も分かる範囲から相談できます。
技術相談・見積依頼へ進むBASIC
まず、どこで漏れを制御しているか
メカニカルシールは、ポンプなどの回転機器の軸封部で、内部の流体が外部へ漏れる量を抑える軸封装置です。
回転環と固定環の摺動面が向き合い、液体で潤滑する一般的な接触式では、摺動面間のごく薄い液膜が潤滑を助けます。


SELECTION & DESIGN
交換品・新規設計の相談で、何を伝えるか
設備名だけでなく、メカニカルシールが置かれる運転条件と変動を整理します。
使用流体、圧力、温度、回転速度を基本に、機器型式、軸径、固形分、腐食性、運転変動などを設備ごとに確認します。

相談前に整理したい情報
- ポンプ・撹拌機などの機器名、型式、軸径、図面
- 流体名、濃度、粘度、固形分、腐食性の有無
- 通常時・起動時・変動時の圧力と温度
- 回転速度、回転方向、連続・間欠運転
- 現在のシール型式、漏れ方、使用期間、変更点
- 銘板に記載されたメーカー・型式、軸封部の状態、漏れの痕跡
TROUBLE DIAGNOSIS
液漏れは、発生した時点と経路から整理する
一つの痕跡だけで原因を決めず、場所・タイミング・量の変化・運転条件を照合します。
「どこから」「いつから」「どの運転状態で」「どう変化したか」を記録し、現物・図面・過去の運転記録を一緒に確認します。


停止中から漏れている
軸封部だけでなく、合わせ面、配管、ドレン、二次シール周辺を含めて漏れの経路を確認します。
起動直後に漏れた
取付状態、充液、エア抜き、弁・補助流路、起動手順と、漏れ始めた時点を記録します。
運転中に漏れが増えた
流量・圧力・温度の変化、振動、軸振れ、異音、設備側の変更履歴と照合します。
発熱・異音・振動がある
単独の兆候で原因を断定せず、時間推移と通常運転時との差を残します。
空運転の可能性がある
液体で潤滑する接触式では、液膜不足により摩擦や発熱、損傷へ至るおそれがあります。
シールを替えても再発する
ポンプ、配管、軸受、芯出し、補助流路、運転操作まで確認範囲を広げます。
LIFE & MAINTENANCE
寿命・交換時期は、年数だけで決めない
取付状態、運転条件、起動直後からの推移、現物状態を、型式別の基準と照合します。
すべての設備に共通する寿命や交換周期は決められません。取扱説明書・図面・運転記録・現物状態から設備ごとに判断します。

初回起動から記録したいこと
- 型式、向き、設定寸法、締結状態を図面と照合
- 充液、エア抜き、補助流路・弁の状態を確認
- 起動直後の漏れ、温度、音、振動を短い間隔で記録
- 通常運転時の基準値と、条件変更・整備履歴を保存
- 点検時は摺動面、二次シール、スプリング等を確認

交換・補修の判断
摺動面、二次シール、スプリング、金属部品などの状態を確認し、メーカー基準や型式別の限界値を優先します。単一の痕跡だけで原因や再使用可否を決めず、使用条件と損傷の進み方を照合します。
REPAIR & EVIDENCE
修理・再生と新品交換を、現物から比較する
分解・洗浄後の点検で、再使用できる部品、補修できる部品、交換が必要な部品を確認します。
他社製・海外製・メーカー不明品も、分かる範囲の機器情報と運転条件から相談できます。原因調査、ラッピング、部品交換、改造提案まで個別に検討します。
FREQUENTLY ASKED QUESTIONS
メカニカルシールのよくある疑問
一般的な考え方です。実機では、シール形式・使用流体・メーカー基準・設備の安全手順を優先してください。
メカニカルシールは、漏れを完全に止められますか?
メカニカルシールは、回転軸まわりの漏れを最小限に制御する軸封装置です。見え方や許容範囲は形式・流体・運転条件で異なるため、「必ず完全にゼロ」とは判断しません。
メカニカルシールの寿命は何年ですか?
すべての設備に共通する寿命はありません。流体、圧力、温度、回転速度、起動停止、振動、取付状態などで変わるため、取扱説明書・図面・運転記録・点検結果から設備ごとに判断します。
液漏れがあれば、すぐ新品交換すべきですか?
異常時は安全手順に従って停止したうえで、漏れの場所・発生時期・量の変化と現物状態を確認します。修理できる場合もありますが、再使用可否は型式別の基準と点検結果で判断します。
空運転をしたメカニカルシールは再使用できますか?
液体で潤滑する一般的な接触式では、液膜不足による摩擦・発熱・損傷のおそれがあります。外観だけで再使用を決めず、運転を停止してメーカーまたは専門業者の点検を受けてください。
グランドパッキンのように、増し締めで漏れを調整できますか?
メカニカルシールは、グランドパッキンのように運転中の増し締めで漏れを調整する軸封ではありません。締結や設定寸法を含む取付状態は、必ず対象型式の図面と取扱説明書に従って確認してください。
メカニカルシールは修理できますか?
損傷状態や寸法基準によります。摺動面のラッピング、二次シールなどの消耗品交換、部品製作が可能な場合があります。一方、クラックや摩耗、変形の程度によっては部品交換や新品交換が必要です。
相談や見積には、何を用意すればよいですか?
機器型式、流体名、圧力、温度、回転速度、漏れ始めた時期、運転変更点、銘板情報、図面があると確認が進みます。図面がない場合も、分かる範囲からご相談ください。
ABOUT THIS CONTENT
専門性と更新情報
技術情報提供:ジクシール株式会社
事業領域:メカニカルシールの設計・製造・販売・修理、ポンプ・ミキサー・モーター等の設備メンテナンス
最終確認:2026年8月11日
CONTACT JIKUSEAL
症状と運転条件から、一緒に整理します。
選定、液漏れの原因調査、修理、交換判断、他社品置換まで。機器情報や分かる範囲の運転条件からご相談ください。